2016年4月20日水曜日

石田 徹也

石田 徹也
(Tetsuya Ishida 1973年(昭和48年)6月16日 - 2005年(平成17年)5月23日)

享年31歳


同い年



マルクス・シンヴァルド| Markus Schinwald(ザルツブルグ生まれの現代美術家) 
マーク・ティッチナーMark Titchner(イギリスの現代美術作家)
荒川弘(漫画家)
大泉洋(タレント)



石田徹也公式ホームページより引用
石田徹也は2005年に放送された新日曜美術館「悲しみのキャンバス 石田徹也の世界」で紹介されてから有名になった画家というイメージがあります。

31歳で亡くなってしまいましたが、生前からひとつぼ展(現1_WALL)やVOCA展など、日本の若手登竜門的な位置になる賞で評価を得ているんですよね。


現在、作品は世界的に有名なギャラリー「ガゴシアン・ギャラリー」で扱われていて、もし石田本人が生きていたら、きっと信じられないような状況なのかもしれません。

果たして喜ぶのか、悲しむのか。


1996 引き出し 石田徹也公式ホームページより引用
1996 飛べなくなった人 石田徹也公式ホームページより引用

絵はサラリーマン風の男の人が、ゴミや家具やおもちゃみたいなものと一体化(あるいは変形)していたりして、狂気や恐怖を覚えるというよりも「共感できる不安感」を与えるという感じ。


大学では油画や日本画などのファインアート専攻ではなく、武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科に入学しています。

卒業後は画家として生きていくことを決めて、バイトしながら絵を描き続けるわけですが、「絵画作品」というよりも「イラストレーション」という分野の方が親和性のあるように感じられるのは、(実際にイラストレーションもやっていました)この「視覚伝達デザイン」という専攻の中で芸術性を育んだ事と無関係ではない気がします。


2001年頃 無題 石田徹也公式ホームページより引用


1997年頃 無題 石田徹也公式ホームページより引用




















石田の作品集は結構全国の本屋で扱われています。昨年はアイデアスケッチなども一緒に展示した「石田徹也展 ノート、夢のしるし」なども開催されていて、この展覧会図録や、美術の窓の石田徹也特集などを読んでみると、より石田徹也の世界を理解する一助になるかもしれませんよ。


僕は高校生の時に初めて石田徹也の遺作集をみて、「絵ってすごいちからを持ってるんだな」と。はじめて思わせてくれた思い入れの深い画家なのでした。

2016年4月17日日曜日

レオナルド・クレモニーニ

Leonardo Cremonini
(1925年11月26日ボローニャ生まれ –  2010年4月12日パリで没)

享年85歳。

同い年
ジル・ドゥルーズ哲学者)
三島由紀夫(小説家・劇作家)
川本喜八郎(日本のアニメーション作家、人形作家)




独自の鮮やかな色合いで室内やプールに佇む人物などを描いています。

こちらに気づいていない様子の後ろ姿や鏡に写る横顔。
なんだか覗き見てるようで背徳感が刺激される世界観です。

















イタリアの画家クレモニーニは日本ではあまり知られていない画家だと思いますが、

調べてみると1980年に西武美術館で「クレモニーニ展 不確かな日常の影とエロス」という展覧会が開催されていました。


日本語の文献はもしかするとこの展覧会図録くらいかもしれません。




新造形主義の旗手と位置付けられていたそうで、たしかに画面の分割の仕方はピエト・モンドリアンを感じるものです。
フランシス・ベーコンも彼を評価していたそうです。なるほど確かに色彩や人物の歪ませ方など、、なんとなくわかる気がします。

2016年4月15日金曜日

ルシアン・フロイド

ルシアン・フロイド
(Lucian Freud、1922年12月8日 - 2011年7月20日)

イギリス生まれ。享年88歳。

同い年
リチャード・ハミルトン(ポップアートの先駆的存在の画家)
水木しげる(ゲゲゲの)
山下清(おむすびが食べたい人)
リチャード・ディーベンコーン(アメリカの画家)
清水九兵衛(日本の彫刻家)


ルシアン・フロイド ウィキペシアより引用

ルシアン・フロイドは日本の美大受験生や、中国などでも人気の画家です。
2011年に亡くなってしまいましたが、2008年に「Benefits Supervisor Sleeping」という肥満体裸婦の絵がNYのクリスティーズ(オークション)で3360万ドル(約35億3千万円)で落札されて、当時の存命画家最高値を記録して、ちょっと日本でも話題になりました。


1985年の自画像。渋い63歳です。

1981-83 Large Interior W.11 (after Watteau) 

代表的な作風としては厚塗りの油絵。
友人や恋人や犬など非常に身近な人たちをモデルにすることが多かったみたい。
室内の床やベッドに「ただ横たわってるだけ、座ってるだけ」という絵が多いですね。

重厚な画面のは裏腹に、写実主義といわれるだけあってリアリティのあるしっとりとした空気感が描かれています。
激しくもないし、かといって悲しげでもない不思議な世界観です。


1951 Interior in Paddington 

こちらは29歳、まだ若い頃の作品です。晩年に比べると少しシュールな作品でした。
モデルはなんだかモノ言いたげな表情だし、観葉植物は不自然な生命感があるように描かれてます。絨毯の赤だけが妙に際立っているのもなんだか不安感を掻き立てます。

因みに彼のおじいさんは世界的にも有名な精神分析学者のジークムント・フロイトさん。
おじいさんの影響ってのはあったのでしょうか?

また同じくイギリスの画家のフランシス・ベーコンとは互いにモデルになりあったりしてて、巨匠同士親交があったんですね。

彼の死後に書かれた伝記「ルシアン・フロイドとの朝食――描かれた人生」(日本語訳!)が今年2016年1月に発売されました。こちらもぜひ。

(おしまい)

2016年4月14日木曜日

福田平八郎

福田 平八郎
Heihachirō Fukuda1892年2月28日 - 1974年3月22日

Wikipedia(English)


大分県出身の日本画家。享年82歳。


同い年

ヘンリー・ダーガー(アウトサイダー・アートの代表的な作家)
芥川龍之介



福田平八郎は瓦屋根やタケノコなんかをモチーフにとてもリズミカルな画面(モダーンなデザイン)の日本画を描いた画家です。



福田平八郎 《雨》 1953(昭和28)年 山種美術館展示フライヤー

タイトルもシンプルに「筍」

「数学のことを考えるだけで世の中が暗くなる気がする」という程に数学が苦手だったけど絵は得意だったので、京都市立美術工芸学校(現・京都市立芸術大学)では優等生たったそうです。


福田平八郎 《漣》(さざなみ)1932年(昭和7)
絹本白金地着色 156.6×185.8cm
 artscapeより引用

シンプルで大胆な構図は琳派やポップアートにも通づるところがありますね。

(おしまい)

フィンセント・ファン・ゴッホ

(Vincent Willem van Gogh、1853年3月30日 - 1890年7月 29日)

享年37歳


同い年

アーネスト・フェノロサ(岡倉天心と一緒に現東京芸術大学の設立に尽力した人)
フェルディナント・ホドラー(スイスの画家。世紀末美術の巨匠)

日本で見られるゴッホ

東京富士美術館(八王子)

ポーラ美術館(箱根)

諸橋近代美術館(福島)

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

好きな食べ物
子羊もも肉の赤ワイン煮込み冬野菜添え


























言わずとも知れた炎の人。「日本人が知ってる画家」ピカソに並びナンバー1。

今なお多くのファンをもつゴッホ。でも生涯売れた絵は一点だけでした。

商人や修道士を挫折して画家になったり、弟にお金の面倒をみてもらってたり、ルームシェアしてた画家友達(ゴーギャン)と険悪になっていって自分の耳を削いでしまったり、プレゼントした絵がニワトリ小屋にかけられてしまったりと、なかなか波瀾万丈な人生を送った画家です。















































代表作としては、ニューヨーク近代美術館(MOMA)の「星月夜」や「ひまわり」のシリーズで有名です。この「ひまわり」。実は10年という短い画家生活で描いた約900点の油彩画のうちたった7点しかないそうです。(うち一点は消失)























「狂人!」「アウトサイダー・・」「勢いで描いてるんでしょ」みたいによく言われてしまいますが、実際には印象派や浮世絵なんか自分の表現に取り込んでしまうとても研究熱心だった人のようです。

弟宛に多くの手紙を書き残しているので、それを読むとよりゴッホの絵を楽しめます。



(おしまい


日本の現代美術作家もゴッホをモチーフにした作品をつくっています

森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホ/青)》2016 年 作家蔵

福田美蘭ゴッホをもっとゴッホらしくするには2002年